あらすじ STORY
退屈な日常に飽き飽きしながら暮らす高校生のカヤ。平凡なクラスメイト達を内心で見下しながら、自分自身も同じくつまらない人間であることを自覚していた。そんなカヤが16歳の誕生日を迎えた直後、深夜のバス停で出会ったのは、爪と目だけしか見えない謎の少女だった。突然のあまりに思いがけない出会いに、動揺するカヤ。しかし、それは一度だけのことではなく、その後、カヤは少女・チカと交流を深めていく。どうやらチカはカヤとは異なる世界の住人らしい。二人の世界には不思議なシンクロがあり、チカとの出会いには何かしらの意味があるのではないかとカヤは思い始める。
爪と目しか見えない女の子!?
文苑堂書店 富山豊田店
菓子涼子さん
なになになに?
爪と目しか見えない女の子!?
存在が斬新すぎます! その女の子との出会いが毎日を“つまらない”と生きている男の子を変えていく……
その様子に感動しつつ、目が離せなかったです。
THE BACK HORNの曲を流しながら読むと、一気に物語の世界観に包まれました!
人を想う熱量
未来屋書店 高の原店
元尾和世さん
特別な人間ではない、だけど誰かの特別になりたい。
人を想う熱量の差は大きいほどせつない。
だけどこの熱量は誰にも負けない。
だから忘れるわけがない、かつてすごい熱量で誰かを何かを好きになったことがある人に、今その熱がある人に読んで欲しい。
いつしか輪郭しか残らなくなる
宮脇書店 柴田店
渡辺啓市さん
人は1つの思い出を抱えて一生を生きていけるのか? どんなにあの時光輝いた思い出も少しずつその光彩を弱め、“何か”はいつしか輪郭しか残らなくなる。悲しいけれど、だから人は前に進むことができるのだと思う。
しかし住野さんはうまいね。読み終えた時、無性にCDが聴きたくなった。
不思議な強い吸引力
紀伊國屋書店 ららぽーと横浜店
千葉拓さん
「この気持ちもいつか忘れる」という言葉が物語の後半、深く胸に刺さる。住野よるが紡ぐ物語は恋愛小説でも青春小説でもない別の何ものかであるようで、不思議な強い吸引力をもっている。ミステリでもないのに、読み終えた直後にすぐ最初のページに戻り読み返してしまう。
普段何気なく見過ごしてしまうものを改めて目の前に差し出される感覚
萬松堂
吉岡彩佳さん
住野よるさんの書かれる登場人物は、ピュアでだからこその鋭さや残酷さを持っていて、いつもはっとさせられるような瞬間があります。
普段何気なく見過ごしてしまうものを改めて目の前に差し出される感覚です。
自分の内にあったはずの気持ちを忘れてしまうことへの怖れや罪悪感みたいなものは私自身にもなじみのある感情のように思えて胸が詰まりました。
あまりにも無垢で心を打ち砕く、青春そのもののような小説
丸善 丸広百貨店 東松山店
本郷綾子さん
叶わなかった夢の先でも、生きていける。道が途切れてしまったように見えても、まだ終わりじゃない。
自分だけが苦しんでいて、自分だけがいろいろなことを考えているのだと、傲慢でしかなかった制服のあの頃が浮かんだ。
あまりにも無垢で心を打ち砕く、青春そのもののような小説。